トマト - ナス科
種まき、育苗
2月末から3月初めに連作の心配のない場所に種をまいて、よく踏み固めておく。そのあとビニールトンネルを被せる。水はかけなくても発芽に必要な水分は下から上がってくる。生えそろったら半径10cmに1本くらいに間引く。1段目の花が咲き始めたら定植。がっちりした苗よりもひょろっとした苗の方が穏やかに育つ。がっちりした苗は茎ばかりが太くなってしまう。
※トマト、ナス、トウガラシ、ジャガイモ等、ナス科の作物を5~6年作ったことのない場所を選ぶ。隣接の畝でも土が混じってしまうため避ける。ナス科の中ではトマトが一番連作に弱い。
畝づくり
トマトの畝は耕さない。耕すと初期の根張りは良いが強度が不足する。そのため、不耕起の方が強い根に育つし排水性がいい。もし耕した場合は足跡が付かなくなるほど十分に踏みつけて土を締める。
トマトは水耕栽培ができるくらいなので、水に慣れれば水の中でも根腐りしないが、乾湿が激しいと根腐りしてしまう。乾湿を安定させるために、高畝にして排水性を高め、白マルチあるいは黒マルチの上に敷き藁をして高温障害を防ぎ、湿度の安定を図る。
畝の幅は3mで2条植え。真ん中に肥料(1mあたり3kgの鶏糞その上に過リン酸石灰をまく)を入れ、その上は歩くための通路にする。株間は広めに80cm~1mとると樹勢が衰えない。
肥料は最初の一発だけで追肥はしない。量としては、米ぬかなら鶏糞の1.5倍、油粕なら鶏糞の半分。どんな有機肥料を使うにしろ、カルシウムを効かせるために過リン酸石灰をたっぷり入れる。どうしても追肥が必要な場合は薄い液肥(1000倍)を与える。
定植
育苗場所から50cm以上に伸びた苗を引っこ抜き、作った畝に寝かして置く。この時、つぼみのついている側を通路側に向けて植える。
茎を45cmほど土を被せ、芽先5cmを土の上に出す。そして足で踏みつける。水はかけなくてもよく、萎れるくらいがいい。緩やかに活着することによって成育が穏やかになる。
整枝・剪葉
わき目を3~4日に1回こまめにちぎって1本立ちを貫く。花は自家用では15段付けられる。8段以上は実が割れやすい。カールする葉は半分から切り落とす。
病害対策
青枯病:原因は土中の有益菌が足りていないため。良質の堆肥で良質の菌を繁殖させたら青枯菌を抑えられる。
尻腐症:カルシウム不足。予防には過リン酸石灰を大量にすきこむか割肥をする。
ヨトウムシ・アブラムシ:3日~5日に1回ストチュウ200倍液をかける。アブラムシは窒素過多。