土づくりについて

土づくりとは肥料や資材をたくさん入れることではなく、土の中の腐植質の量と有益微生物を増やすことである。
降ればドロドロ、乾けばカチカチの土、または砂地のような水はけのよすぎる土質では、肥持ちがわるく野菜は育たない。

連作障害の原因の一つとして、その作物の欲しい栄養素が持ち去られることにある。ナス畑にはナスの木をすきこみ、ジャガイモに畑にはジャガイモの茎葉をすべてすきこむ。
農業とは取ることではなく戻す事が鉄則。

土づくりは腐植質をふやすことでできるが、積極的に微生物資材を投入することが近道でもある。有益微生物によって腐植質を増やすだけでなく、有害微生物を抑制する作用もある。
http://www2.tokai.or.jp/shida/FarmAssist/biseibutu/biseibutu_sizai.htm

基本は鶏糞と米ぬか、硫安、過リン酸石灰

堆肥は肥料成分が低く腐植質増大の土づくりに最適なものである。しかし、牛糞にはカリが過剰に含まれていて時には害を及ぼす。
油粕は即効性が高く、夏なら3日、冬でも1か月以内に効くので化学肥料に近い特性を持つ。5%も窒素を含むため使用には注意が必要。
米ぬかは有益微生物のエサになり腐植質増大の助けになる。
基本は鶏糞と米ぬかを使用し、場合によって硫安や過リン酸石灰を与える。

病害の原因は次の3つある。
・追肥
・カリ過剰
・肥料のやりすぎによる土のアルカリ化

割り肥といって、作付けする畝の下の方に肥料をまとめて埋めておくと、根が肥料を探し出して吸収力の高い根の先端で食ってくれる。肥料の濃度が高ければ根は逃げて身を守る。

肥料の三大要素「窒素・リン酸・カリ」

カリが多すぎると、ミネラル類の吸収阻害、リン酸やカルシウムまで吸収の邪魔をする。
そこで、カリは最小限にしておいてそれに見合うチッソの量にする。
塩類(カリ・カルシウム・マグネシウム・ナトリウムなど)は大雨で流亡する。腐植質が少なく化学肥料に頼っている土ほど流亡する。
雨で窒素がどか効きした場合はカリを絶対にやらないでカルシウムを効かせておさえるのが正しい。

石灰ではなく過リン酸石灰を

カルシウム資材として石灰を与えると、土がアルカリ性になり栄養素の吸収を阻害し、糸状菌(カビ等)の大発生を促す。
過リン酸石灰は土壌を酸性にしない。水に溶けた時は酸性だが、3日で中性になるという土に優しいカルシウム資材で、やりすぎによるリン酸過剰の弊害もない。石灰よりも過リン酸石灰の方がカルシウムが良く効く。過リン酸石灰が無い場合は硫酸カルシウムで代用可能。

土壌改良資材

もみ殻燻炭
もみ殻を蒸し焼きにして炭化させたもの。主な成分はケイ酸と炭素、それにカリウム、カルシウム、マンガン、鉄、亜鉛などのミネラルも含む。効果は酸性土壌の矯正、透水性・通気性・保水性・保肥力の向上、作物の根はりを良くする。微生物の活性を高め、有害菌の活動をおさえる。アブラムシなどの防虫効果もある。

木炭
多くの微細な孔隙にAM菌や根粒菌、窒素固定最近などの有益微生物が住み着く。カリウムやカルシウムなどの無機物を含むため、有益微生物の活性や増殖を促す。土壌中に数ミリから数センチの木炭が混ざることで、透水性、保水性も改良される。

貝殻粉末・甲殻類外皮
ケイ酸、鉄、マンガンなどのミネラルが豊富。遅効性のアルカリ資材の為、作物に優しい。酸性土壌の矯正や木炭と同じく有益微生物の住処になる。

ピートモス
水生生物が堆積腐熟し、泥炭化したもの。pH無調整の物は強い酸性を示す。アルカリ性になった土壌のpHを下げたり、保水力・保肥力を向上させる。